ITIL V3 Foundation

仕事でシステムの運用フローやサービスデスクの業務フローを作っていたところ、ITIL Foundationの受験機会をもらえたので、受けてきました。

この資格はどんな人に意味がありそうか

今回勉強した内容は、サービス提供の仕組みを整備する仕事全般で、役に立ちそうです。

…というのは所感なので、もう少し一般的な話をすると、公共系のシステムの入札時に、体制の中にこの資格の保有者が何人いるかが、評価されることがあるそうです。

具体的にどんなふうに役に立ちそうか

ITIL対応を謳った開発支援ツールの考え方を理解できる

ツールの思想に対する理解が進めば、導入や運用方法を決める上で助けになります。

たとえば、「システムに対する変更管理は、直接起票することができず、必ずインシデント管理を介さなければならない」といったルールを適用した変更管理ツールが、世の中にはあります。

背景知識がない状態でそれを聞くと、えっなんで??となりますが、ITILの知識があれば、なるほどそうなるわな、と思えるでしょう。

(ただし、Foundationレベルでは、「なぜそうなのか」に踏み込んだ理解はできないかもしれないので、それを求める場合は注意かも)

考え方の枠組みをレビュー観点に活用できる

たとえば、サービスオペレーションのフローを検討する時に、慣れていない人がやると、つい「主語」がないプロセスを作ってしまうことがあります。何らかの「作業手順」を定義するものの、個々の作業を実施する主体が誰なのかが不明な手順書を作ってしまうというような例です。

ITILの知識があれば、そのようなことがなくなるであろう上に、もう少し進んで、「手順を決めるには、実行責任を持つ人*1、説明責任を持つ人、実施にあたって協議する人、報告先の4つを決める必要があるのだ」ということが理解できるので、それを踏まえて、より有用なフローを作れるかもしれません。

いたずらに重いフローは害になりうるものですが、枠組みを知った上で枝葉を省略するのと、見落として漏らすのとは違いますので、前者をやるために活用できるかなぁと思いました。

受験メモ

  • 40題、60分間
  • 各問、4つの回答選択肢から1つを選ぶ
  • 65%正解すれば合格

完全に暗記の試験です。ひととおり解いた後、すべての問題を一度見直した時点で、残り20分。自信のない問題が7問あったけど、考えてもしかたがないので、エイヤと終了ボタンを押したら合格でした。ほっ。

注意事項

テストの予約明細に次のように書いてあったので、深く考えずに保険証と運転免許証を持って、会場へ行きました。

また、ID確認用に有効期限の切れていない2種類の身分証明書(両方に署名、1つは写真付)をご持参ください。

しかし、それだけではダメで、クレジットカード、図書館利用者カード、レンタルビデオ店の会員証のどれかを見せるように言われました。

後から確認したところ、テスト実施機関のWebサイトに書いてありました。

幸いクレジットカードを持っていたからセーフでしたが、もしなければ受験できないところでした。あぶない。

*1:上の話でいうと、これが作業の「主語」になる。