西先生の「日本のテストの現場への提言」メモ

西先生のインタビューの2回目が掲載されていることに、何ヶ月も遅れて気づいたので、メモ。

気になったのは、(すごく部分的な話ですが)「障害事例を事例として扱う」方法について。

インタビューでは、ソフトウェアの障害や事故事例から知見を得るための仕組みが、国内でまだうまく機能していない、という話題が挙がっている。

(略)まず、「知見とは何か」ということについて深く考えていないからです。障害事例からどういう知見を得ればいいのかということについてほとんど何も考えていないから、何かデータベースに載せればいいというようなことになっている。技術的な問題です。
つまり彼らは現場に行って不具合分析をして解決した経験がないんです。だから障害事例を事例だとしてしか扱わない。それをどう良くしていくかという発想がないので、使えないデータベースになっていると思います。

http://labo.mamezou.com/opinion/op_002/op_002_002.html

読みながら、スコープを社内にした場合のことを考えていた。障害にかぎらず、「事例を事例として扱う」のには、どんな方法があるんだろう?

たとえば、社内で何かの標準化活動をした時のことを考えてみる。標準化では、「何を標準化するか」というWhatにいきなり飛びつくことはしない。まず、実際に社内の現場でいま起きている問題を洗いだす。次に、なぜそれが起きるのかというWhyを話しあう。そして、どうすれば解決できるかというHowを考える。おおまかにいって、このような手順をふむ。なぜなら、最初から取組みそのものに焦点をあてて標準化をすすめると、実際の問題解決の役に立たない活動をきめてしまったり、大局的な目標を見失ったりするという問題があるから、それを避けるためだ。

で、"実際に起きている問題"というのが、インタビュー記事でいっている「事例」にあたるわけだけども、これを「事例として扱う」とは、具体的に何をしていけばよいのだろう。

たとえば、事例の1件1件について、現場に対面やアンケートでヒアリングすることはあった。これも、「事例として扱う」方法の一部だろう。それにプラスして、どんなことをすればよいのか。この後は、もう早速、個々の事例から一般化・抽象化された教訓を抜きだしてしまって、よかったのかな? もっとやるべきことがあったんだろうか? 現場がせっかく提供してくれた社内事例をもっと活用するには、どんなことができるんだろう?

組織の横串になる部署にとって、社内事例を「事例として扱う」スキルは、重要だ。部署や先輩の中には、スキルとして蓄積されているだろうけど、まだまだ自分の中では体系化できてない感じ。

課題として認識できたのはいいけど、こういう話って、なにから勉強したらいいのやら。。。