定例会の司会を持ち回りにしたら内職がなくなった
先日、『ソフトウェア開発を成功させるチームビルディング 5人のチームを上手に導く現場リーダーの技術』を読みました。
ソフトウェア開発を成功させるチームビルディング 5人のチームを上手に導く現場リーダーの技術
- 作者: 岡島幸男
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2009/03/26
- メディア: 単行本
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この本に、ソフトウェア開発のチームで行う毎日の朝会について、こんな文章がありました。
進行役(司会)を持ち回りにすることもよく行われます。これも、全員が満遍なく話をするためのよい方法です。
岡島幸男:『ソフトウェア開発を成功させるチームビルディング 5人のチームを上手に導く現場リーダーの技術』,ソフトバンククリエイティブ,p.27,2009.4.
個人的に「なるほど!」と思うところがあり、さっそく今週、うちのチームの定例会で、司会を持ち回りにしてみました。これまでの数ヶ月は、ずっと私一人が継続して進行役をしていました。
その結果、なんと定例会中の内職がなくなったという予想もしなかった効果があったので、ちょっとメモしておきます。
本来は内職禁止をルール化すればよい話
定例会から内職をなくすには、最初にルール化するのがきっと一番だと思います。PFP関東ワークショップ#11のあまのさんの講演「Activities in the "R" Pj.」で、グランドルールの1つに内職禁止を挙げられていたのを見て、そう思いました。皆で最初に決めたことなら、納得感もあって、守りやすいでしょう。
残念ながら、うちで定例会をはじめた当初、私はルールを設定することを思いつきませんでした。だからというかなんというか、うちの定例会では、他の人の報告中に別の作業を始める人がいました。
内職をなくしたかった理由
内職には理由があると思います。定例会に意義を感じないとか、そもそも忙しいとか。それでも、私は個人的に、定例会中にメンバーが内職することを避けたいです。なぜなら、定例会の時間を短くしたいから。
内職で浮かせられるのは、内職する人の時間だけ。でも、内職は、チーム全員の時間を奪うことがあります。たとえば、報告する人が、「今日こういうことで困ったんだけど、どう思う?」と、まわりに軽く振ることがあります。その時、話を聞いていなかった人がいると、報告する人は同じ説明をもう一度しなくてはいけないし、話を聞いていた人たちも同じ話をもう一度聞かなくてはいけない。うちではこのことが頻繁に起き、見るからにムダでした。それで、「内職をなくせたらなぁ」と途中から思うようになりました。
もちろん、発表中に内職をされた人が話す気をなくすのではないかという恐れや、全員で共有すべき情報を内職をしていた人が聞き落とすことへの心配もあります。
「内職やめよう」とはっきり言えなかった
内職をなくしたいなら、自分の考えをはっきり言うのが筋です。でも、私はできなかった。「皆で決めたわけでもないのに、今さら言うのは感じ悪いかな」と、余計なことを考えてしまいました。肝心なところでパッシブです(しかも、この考え方って、メンバーを信頼してないよなぁ…反省…)
定例会中に内職をしようとした人に、「今は話を聞こうよ」とその場でさりげなく言うことは、何度かしました。しかし、そのたびに「ちゃんと聞いてる」と言われていました。私がマジメに言わずにへらへらしていたために、聞き入れてもらえなかったのかもしれません。「聞いてるなら、話してる人の方を向こうよ〜w」とか、ね。
じつは、いろいろ考えて、発表順を変えることはしてみました(惜しい)。でも、効果があるのはそのときだけで、次からはやっぱりダメでした。
一人一人が司会をすることで得られる効果
しかし、司会を持ち回りにすることで、内職がなくなりました。減ったのではなく、今のところなくなっています。
理由を考えてみました。一番大きいのは、司会役として「じゃあ次、○○さんどうぞ」と指名しておいてパソコンに向かうことに、心理的な抵抗が生まれるからだと思います。さすがに、自分が振った話を聞かずに背を向けるのは、難しいです。
さらに、司会をすると、いつも以上にまわりが見えるのだと思います。人の話をうなずきながら聞いている人の姿を見たり、反対に、人が話している時に他所ごとをする人の姿を見たりすることで、自然と色々学べるのではないか…などと思いました。
司会の持ち回りをはじめたのは、自分がいない日にも定例会をしてもらうためでした。また、何でも私が自分でやろうとするのをやめて、もっとチームならではの動き方ができるようになりたいと思ったからでした。
そんなわけなので、思わぬ効果があって嬉しいです。この先もずっと内職のない状態が自然に続くかどうかは、わかりません。でも、うちのチームは、持ち回りをする前とは確実に少し変わったと思います。
著者の岡島さん(id:HappymanOkajima)に感謝しています。ありがとうございました♪