『情熱プログラマー』

id:bash0C さんが、先月この本について何度か言及されていたので、気になっていました。4月の頭に『Webを支える技術』の先行販売をもとめて本屋に行った時、目当てのそれが売り切れだったので、ついこっちをヤケ買いしました。

情熱プログラマー ソフトウェア開発者の幸せな生き方

情熱プログラマー ソフトウェア開発者の幸せな生き方

読んでよかったです。プログラマでなくても、IT系のエンジニアなら面白く読めると思います。

まず、最善を尽くそうという気力が湧く点が良いです。次に、実践的なTipsが大量に載っているので、すぐに試せるものが1つ2つ簡単に見つかる点が良いです。そして、オムニバス形式で読みやすい点も良いです。

どの章も面白いですが、読んだ直後は、このあたりの話が好きだなあと思いました。

  • 8.スペシャリストになろう
    • 何かのスペシャリストであるということは、それしか知らないことの言い訳ではない、という厳しい突っ込み。
  • 15.一に練習、二に練習
    • 練習で上手い音を出そうとするな、変な音を出す練習が大事なんだ、という話。キレイなものを作ることにこだわるのと同じくらい、汚いコードや壊れた設計で何かを作ることも勉強になる、という考え方に触れられます。
  • 27.保守作業の真価を知る
    • 運用保守の仕事に気力をくれます。先週、丸山先生のレクチャーシリーズ2010第3回に参加した時に、よしおかさんの発表で「運用による価値の創造」という素晴らしい言葉を聴いて、この章を連想しました(発表動画の49〜51分のあたりです)。

上3つには含んでいませんが、キャリア構築について直接的に書かれた章も多々あり、この本のメインになっています。

なお、『情熱プログラマー』は、『My Job Went To India オフショア時代のソフトウェア開発者サバイバルガイド』の改訂改題版だそうです。イントロダクションを読んで初めて知りました。以前、「プログラマーとして一歩先へ進む為の3冊 - すがブロ」で改訂前の版が紹介されているのを見て、興味はあったのですが、タイトルと表紙の写真がこわくて手を出せずにいました。著者本人がいうとおり「前向きなタイトル」に変えてくれてよかったです。前のままなら、自分はたぶんずっと読まなかったでしょう。

良い本に出会わせてくれたbash0Cさん、ありがとうございます。