『わかりやすく〈伝える〉技術』
昼休みに立ち読みして、良さそうだったので買いました。
- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/07/17
- メディア: 新書
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この本は、LTを上手くやるコツが分かる本だといって差し支えないでしょう。「第5章 実践編 三分間プレゼンの基本」は、まさにそんな感じです。資料作成の方法から、つかみの作り方、発表中の時間感覚の話まで書かれています。ちなみに、一行ずつ話の流れに合わせて文を見せる手法が、「みの式プレゼンテーション」として紹介されていました。あれ? それってもしかして…(高橋メソッド)
本書の終盤で、"説明するにはどうしたらよいか"という問題意識を持って調べることで、自分の理解が進むという話が出てきます。
アウトプット(情報発信)をしてみることで、アウトプットには何が必要かわかり、そのためのインプットの方法が見えてくるのです。
池上彰:『わかりやすく〈伝える〉技術』,講談社現代新書,p.227,2009.7.
これは、技術者のアウトプット全般にいえることだと思いました。
また、著者は、説明対象を本当に理解していれば、ざっくり説明できるはずだと指摘します。耳が痛い項目でした。
自分がそのことを本当によく知っていないと、わかりやすく説明できないのです。なまじ中途半端に知っていると、「あれも言わなければならない、この要素を落とすと正確ではない」と不安になり、ややこしい説明になってしまいがちです。
池上彰:『わかりやすく〈伝える〉技術』,講談社現代新書,p.78,2009.7.
本当に伝えたいこと以外のノイズを減らそう、という話ですね。絶対に必要な情報だけを残して、あってもなくてもよい情報は削ろう、と書かれています。当たり前のことですが、これが難しい・・・。難しいと感じるということは、説明対象への理解度が足りないのでしょう。
数十年に渡って、理解度の異なる視聴者を想像しながら説明技術を磨いてきた人によるアドバイスは、それ自体が非常にわかりやすい説明です。するりと読めました。