アップデート可能な製品に対する慣れを形成するための品質(のようなもの)
古い話だけど、次の話がTwitterでRTされてきて、ふと思ったことをメモ。
三木谷さん、不具合で騒いでるのは2000〜3000人だってよく言えるよな。旧来の製造業だと新人研修で「たとえ不良品が10万個に1個だったとしても、その1個を買った人にとって不良率は100%だ。だから品質は絶対なんだ」って叩き込まれる。これがネット企業との考え方の違いなんだろうか。
https://twitter.com/kur/status/229148907198877696
購入後にアップデートできない製品と、ダウンロードしたパッチを当てられる製品とでは、品質についての作る側の考え方はもちろん違う。では、使う側はどうか。
koboで後者の製品を初めて体験した人は、三木谷さんの発言に違和感を持ったかもしれない。しかし、たとえば、最近のゲーム機にすでに親しんでいる人は、それほど反発しなかったかもしれない。(発言態度が気に入らないとか、そういう批判は置いといて)
使う側が備えていると望ましい「アップデート可能な製品への慣れ」は、どうすれば習得可能か。基本的には、実際にその手の製品を使うことでしか習得できないと思う。特に、ソフトウェアのアップデートという概念からも程遠いところで生活している人には、ハードウェアのアップデートなんて、実体験なしには理解できない。
そして、そういう人をもターゲットにするのであれば、作る側は「後から修正を配れるから、最初の版はテキトーでいいよね」ってことにはしないだろう。使い始めにこそ、不快な刺激を与えないように、細心の注意がいる。初版の品質が低すぎることは、一時的にユーザ体験を損なうだけでなく、「アップデート可能な製品」を初めて体験するユーザの慣れと受容を妨げるだろうから。
見慣れないものを出す時は初版に手を尽くす、みたいなユーザビリティの考え方には、何か名前がありそう。