実装スキルと業務知識の習得のトレードオフ

業務システムの開発者にとっては、実装技術と業務知識のどちらもかけがえのないもので、両者の習得努力のバランスが大事

実装スキルと業務知識を統合するために: 設計者の発言

同意しながら読みすすめるも、「バランス」の難しさについて、考えこんでしまいました。

現実に、バランスよく習得することが可能な方法*1や環境はあるのだろうか? 方法があるとして、その技術はどこまで適用可能だろうか? 環境があるとして、その場所にどうすれば身を置けるだろうか? たとえそれが難しくても、なおわれわれは、手段の専門家ではなく、目的の専門家を一律に目指した方がよいのだろうか? ・・・

すべての技術者が、1つ以上の業務領域にどっぷり浸かるべきかというと、そうとも言い切れないと自分はこれまで思っていました。

ひとつには、単純に機会の問題があります。ある業務領域の専門家になるヒマもなく、また別の業務領域の仕事に足を突っ込むことを何年も繰り返す状況は、世の中に結構あります。原因は、組織にある場合も、個人にある場合もあるので、一概にはいえません。とにかく、その結果としてどうなるかというと、技術者は業務専門家から業務知識を聞き出す技術は磨けるものの、ある業務領域の直接の専門家にはなり損ねるでしょう。

もうひとつには、現実的なトレードオフの問題があります。現在では業務知識もまた複雑化し、「ひとりの人間に与えられた時間と意欲を丸飲みしてしまうほど込み入っ」ていることが多いのではないでしょうか。システム作りに必要な業務知識と実装知識の両方が出揃うためには、お客様側が多く提供し得る業務知識よりも、お客様側から提供され得ない実装知識をシステム屋が補えるように、実装知識の獲得に時間と意欲を優先的に振ることには、妥当性があると思います。

とはいえ、現実に、「業務知識をドスルーすると仕事にならない仕事」の方が多いです。そうでない数少ない仕事ができないなら、業務知識をそれこそバランスよく持たなければ、食べていけません。

結論としては、仕事のために習得すべき知識はたくさんあるので、日記を書く暇があるなら勉強しろや、ということですかねぇ。。。(結論になっていない)

*1:渡辺先生は、その1つがDSLだと元記事に書かれています。