『パターン、Wiki、XP』
7月の Shibuya.trac勉強会第4回 でid:wayaguchiさんからすすめていただき、つい先月もnaokisさんからすすめていただいた『パターン、Wiki、XP』。ようやく読みました。
パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)
- 作者: 江渡浩一郎
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2009/07/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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色々な方からおすすめされるので、そんなに面白いのかと半信半疑でしたが(ごめんなさい…)これはすすめたくなりますね。納得しました…。読んで良かった点はいくつもありますが、ちょっとだけメモしておきます。
まず、これまで読み終わった人から概要を教えてもらってもピンとこなかったWikiのアレコレが、すっきりわかりました。
次に、アレグザンダーの思想の変遷自体が、芸術のように美しく、楽しめました。精緻な数学の理論から、実験を経て自己批判に至り、名づけることのできない美や質を成り立たせるものが何であるかを追求し続けるという、長い長い道のりです。
そして、パターンの起源を知ったことで、今後、XPのプラクティスを実践したり、デザインパターンを使用したりする時、これまでと違った新たな視点で臨めそうです。何も考えずにベストプラクティスを取り入れるのではなく、パターンランゲージの営みの一部として行うのだという明確な動機づけを得ました。というわけで、あとがきが、とても良かったです。
これは、物語としてのWikiの起源を知っておしまい、という本ではありませんでした。適用対象を変えて繰返し語られるアレグザンダーの6つの原理を読むうちに、知らず知らず、自分の仕事にも適用できないか検討していることに気づく――そういう触媒として使うような本でした。時間をおいて、また読み返そうっと。
wayaguchiさん、naokisさん、良い本を教えてくださって、ありがとうございました。