「第9回 AWS User Group - Japan 東京勉強会」へ行ってきました
秋葉原で開催された「第9回 AWS User Group - Japan 東京勉強会」へ行ってきました。
- 第9回 AWS User Group - Japan 東京勉強会 http://atnd.org/events/17287
備忘メモをupしておきます。
# 間違いや、「この話は消して」等、もしありましたら、コメントやTwitterでご連絡ください。
所感
怒涛のようなLT祭りで、とても面白かったです。
久川さんによる飛行石のデモンストレーションを見て、初っ端から胸がいっぱいになってしまいました。
Youtubeで動画を見たときも、発想の美しさに何だか泣きそうになりましたが、作ったご本人の解説と実物を前にすると、ものづくりをする人への尊敬も相まって、感動がひとしおでして。。。凄い!カッコええ!と大コーフンでした。聞けてよかったです。
それから、Zmandaの坪井さんといえば、1年半前にhbstudyでお話を聞きました(http://d.hatena.ne.jp/torazuka/20100120/hbstudy)。
当時は、「便利そうだけど、沢山のサーバを並べる必要があるから、検証ひとつするのも大変だなー」なんて思っていたものです。あの頃はまだ、AWSを触ったこともなかったので・・・。
それが、今はAWSを使って、複数のサーバをカンタンにそろえることができます。もちろん、バックアップや監視を個人で検証することも、物理マシンを並べずにできますね。
山崎さんのお話にあった「教育にAWSはピッタリ」というのは、こういう基本的な部分にも見られるなぁと思います。良い時代ですね。
というわけで、主催の皆さん、発表された皆さん、楽しい時間をありがとうございました。
以下、詳細です。
(夏一番!)「AWSアップデート」 Amazon Data Services Japan 玉川([twitter:@KenTamagawa])さん
- JAWS-UG東京第9回 2011年7月14日 http://www.slideshare.net/kentamagawa/jawsug9-2011714
- 【第9回】 (夏一番!)『AWSアップデート』 Amazon Data Services http://www.ustream.tv/recorded/15986383
全国で開催されてきたJAWS-UGの勉強会が、9/25、ついに沖縄で開催されるそうです。おめでとうございます。
前回の第8回勉強会(2011/04/28)からのサービスアップデートは、次のとおり。
Amazon エコシステムの拡充
ベンダーとのリレーション強化によって、顧客にもたらされたアレコレ。
- Microsoft
- ライセンス・モビリティ on AWS
- SharePointやExchangeのライセンスを、AWS上でもオンプレミスでも使えるようになった
- Oracle
- Oracle RDSの開始
- ライセンス持込みと時間課金に対応
- SAP
- SAPがAWS上でシステムが稼動することを保証した
- Red Hat
- インスタンス提供と時間課金に対応
顧客への還元
- AWSに向けてのデータ転送の無料化
「AWSとAndroidとArduinoで飛行石を作ってみた」 株式会社鳥人間 久川([twitter:@hisashin])さん
- 【第9回】『AWSとAndroidとArduinoで飛行石を作ってみた』久川様 http://www.ustream.tv/recorded/15986488
動画「ラピュタの飛行石を作ってみた」(http://www.youtube.com/watch?v=tVVP8hKao4A)の飛行石作成プロセスのご紹介。
ここでいう飛行石とは、レーザーで国際宇宙ステーションの位置を指し示す機械で、久川さんがイチから手作りされた。軌道計算のためのサーバに、AWSを利用している。
久川さんからのメッセージ(概要)
今回の発表では作成プロセスを紹介します。これは、簡単に挑戦できるものです。
皆さん、サーバをいじるのもいいですが、たまには物理的なものづくりにも、ぜひ挑戦してみてください。
今は、はんだづけカフェというものもあって、そこへ行けば半田付けのやり方を教えてもらえます。
Make(http://jp.makezine.com/)も楽しいです。
国際宇宙ステーション
宇宙ステーションは飛行機のような速さで動いていて、地上から肉眼で見ることができる。点滅はしない。
また、宇宙ステーションの位置は、誰でも計算できる。NORAD(http://www.norad.mil/)が軌道情報を提供しているし、軌道計算モデルがGPLで出ている。久川さんは、軌道計算のJava実装を自分で作って持っている。高い精度が必要なため、BigDecimalで計算するらしい。
以前から、宇宙ステーションの場所を指し示すiPhoneアプリを開発・販売されていたが、「これをレーザーでやれば飛行石だ」と思い、作ることにした。
作成手順
まず、Google SketchUpに初挑戦して、実物大の模型を作成した。1ミリレベルで調整が効いて便利。しかも、無料。久川さんは、3日で描けるようになった。
次に、Arduinoで、Pinの入出力(信号線割り当て)を書いて実現した。
- Arduinoとは、クリエイティブコモンズライセンスのOSSハードウェア
- ライブラリが充実していて、Servoライブラリというのもあった
- 飛行石を実現するために必要な GPS、コンパス、インターネット接続なども手に入った
- Arduinoは、数百円のパーツをはめれば、ケーブルを刺して、ネットワークプログラミングができる
しかし、Arduinoはとても小さいため、doubleの計算がやっとできる程度だった。Android端末と連携させたが、それでもきびしかった。(連携は、Bluetooth通信)
そこで、クラウド上のサーバに担当させることにした。(ここでAWSが登場!)
そして、電子回路の設計をして、変圧回路を買ってきて、半田付け。
最後に、外箱を作成して、完成した。
「教育という用途とAWSの相性の良さ」 ゼロスタートコミュニケーションズ 山崎([twitter:@zaki])さん
- 【第9回】『教育という用途とAWSの相性の良さ』ゼロスタートコミュニケーショ ンズ 山崎様 http://www.ustream.tv/recorded/15986608
チューニンガソン
山崎さんは、先日、チューニンガソンというイベントを開催した。これは、2時間半でサーバをチューニングして、アプリケーション実行時間をより短くできた人が勝ち、という内容。今回はWordpressのコメント書き込みを大量実行した。
その際、サーバスポンサーをAWSに依頼した。準備するサーバに関して、次のような要求があった。
- 数時間だけ大量に欲しい
- 同条件のマシンが欲しい
- クリーンリスタートが何度もしたい
後から考えると、これらの要求は、AWSを使うのに向いていた。
- 同じセットアップ手順で、ハードウェア性能を変えられる
- インスタンスタイプをあとから変えられるから
- スナップショットが気軽に取れる
- チューニンガソンのバトル条件を色々作って、スナップショットで保存しておける
- サーバの大量起動がラク
- 必要な時間だけ動かせるので、安い
「スパイクのあるシステムが最もAWSに向きます。このようなイベント系、つまり、使用ゼロの時間が長いものも、いわば"スパイクがある"のです」とのこと。
ハマったところ
Amazonへの要望
教育への応用
- ゼロスタート社のITスクールtechcamp(http://zero-start.jp/techcamp)で導入予定
- チューニンガソンも、2ヶ月に1回くらい実施予定
「Asakusa on AWS」 [twitter:@merblejenka]さん
- 【第9回】『Asakusa on AWS』@merblejenka様 http://www.ustream.tv/recorded/15986708
「Red Hat Enterprise Linux on EC2」 Red Hat 石井さん
- 【第9回】『Red Hat Enterprise Linux on EC2』Red Hat 石井 様 http://www.ustream.tv/recorded/15986820
- 国内OS市場が全体的に縮小する中、Linuxだけは成長している
- 震災の影響を受けた予測でも、Linuxの平均成長率は伸びる見込み
- シェアは、すでにUnixを超え、次はMainframeを超えるだろうといわれている
- 他のプラットフォームからの移行の検討は、Windowsが52.6%を占める
- 証券取引所もRed Hatを採用。
今回、AWSでもRed Hatインスタンスの時間単位チャージ、インスタンス展開を開始した。
また、Red Hatのクラウド製品戦略には、IaaSにCloudForms、PaaSにOpenShiftがあるので、そちらも見てね。
・・・といったお話でした。
「Zmandaとクラウドバックアップ」 Zmanda, Inc. 坪井([twitter:@ytsuboi])さん
- 【第9回】『Zmandaとクラウドバックアップ』Zmanda, Inc. 坪井様 http://www.ustream.tv/recorded/15986880
バックアップツール・Zmanda(http://zmanda.jp/)の紹介。
Zmandaについて
OSSで無償のコミュニティ版と、サブスクリプション版がある。クラウドバックアップの分野で有名な製品。
Zmanda, Inc.は、もともとOSSのAmanda(http://www.amanda.org/)コミュニティのメンバーが集まってスタートした会社。
日本に代理店があり、日本語対応を行っている。USでは、AWSのソリューションパートナーでもある。
製品ラインナップ
3種類ある。
- Amanda Enterprise
- OSS製品の商用版。S3にバックアップ
- Zmanda Recovery Manager
- EC2のMySQLをクイックバックアップ(EBSに)
・・・というところで、説明に入るかと思いきや、まさかの時間切れ。
坪井さんによると、「バックアップツールにお金かかるの?と思われそうだけど、最近AWSへのデータの転送料が無料になったので、これは大きい(お得に使える)」とのことでした。
また、8月2日に、Zmanda クラウドバックアップセミナー(http://atnd.org/events/17539)というイベントを開催されるそうです。
補足
勉強会終了後に坪井さんがtweetされていたコレ。Zmandaの正しい発音が分かります。
- ZmandaのCEO、Chander Kantから日本の皆様へのごあいさつ http://www.youtube.com/watch?v=fakNRcZyoGI
ここから、ライトニングトーク5分枠。
- 【第9回】ライトニングトーク5分枠 http://www.ustream.tv/recorded/15986980
「雲(AWS)に願いを」 CloudPack 鈴木([twitter:@suz_lab])さん
- JAWS-UG東京第9回勉強会『雲(AWS)に願いを』を公開しました http://blog.cloudpack.jp/2011/07/news-doc-jawsug-tokyo-09.html
Twitterで、「Amazonへのお願い」を短冊に書いて、ローソンの七夕飾りの笹に吊るしたと話していたら、
ADSの人が、「Amazon CTOのヴァーナー・ボーガス氏にユーザ要望として伝える」と言い出し、
あれよあれよという間に専用ページが作られ、ハッシュタグができて、
ハッシュタグ付きでtweetされたお願いは英訳付で掲載されるという状況になった。
結果、集まったお願いが107個。参加者は104名。
賛同する「お願い」はRTする、というルールにして、七夕の後に集計したところ、次のような結果になった。
4位以上(同票同位アリ)
そして、1位は、
- PostgreSQLのRDS版ができますように
- VPCが東京リージョンにきますように
だったそうです。
なお、「AWSでも、Azureのように、データセンターへのデータ送信が無料になりますように」というお願いもあったけれども、七夕より前に叶っちゃった、というちょっといいハナシもありました。
「IAM使い倒し」 李([twitter:@awk256])さん
「CloudWatchのカスタムメトリクス使用例」 田名辺([twitter:@dateofrock])さん
- 第9回 AWS User Group - Japan 東京勉強会で、ひさびさにLTしてきました http://blog.dateofrock.com/2011/07/9-aws-user-group-japan-lt.html
CloudWatchの新機能・カスタムメトリクスについてのお話。
JMX Custom Metricsってことで、ヒープメモリの状態をJMXで取得し、リクエストを作成してCloudWatchに送信、グラフ表示して楽しむ、といったことをされたそうです。
今回のデモは、Twitterのfollowerの増減データを取得して、Androidからputする、という内容でした。・・・たぶん。
というのも、「今すぐTwitterでfollow me! でないとデモが成功しません!」と冒頭でおっしゃっていたので、フォローしたわけですが、如何せんガラケーなので打ち込むのに手間取ってしまい、お話に集中できませんでした。やっぱりスマフォにしないとダメですね (^^;
あとでデモ結果をtweetします、とおっしゃっていましたが・・・
成功だったそうです。おめでとうございます。
「Oracle RDS使ってみた」 CloudPack 後藤([twitter:@kaz_goto])さん
- JAWS-UG東京第9回勉強会『RDS for Oracle使ってみた』を公開しました http://blog.cloudpack.jp/2011/07/news-doc-jawsug-tokyo-09-goto.html
RDSのOracleなら
「ライセンスが高い」 →
- 時間単位で使える。一時的な性能アップもOK
- smallなら0.18$/時間と安い
- 物理サーバで動かす場合と、ライセンス計算方法が違う。計算はややこしいけど、お得。
- テスト目的で動かすだけなら、お試しできる
「インストール/運用が手間」 →
- セットアップ済みなので、起動するだけで使える
- 設定はブラウザから行う
- バックアップも自動化
- パッチあて、マイナーバージョンアップは、AWSが自動でやってくれる
「機能が多すぎる」→
- RAC
- UTF
- MultiAZ
・・・などの機能が、RDSには(まだ)ない。・・・いやー本当にシンプルですね! という、泣かせるお話でした。
「fluxflex 正式版リリースの紹介」 深海([twitter:@d_sea])さん
- 2011.07.14 LT Doc fluxflex on JAWS-UG http://www.slideshare.net/d_sea/20110714-lt-doc-fluxflex-on-jawsug
7月11日に正式リリースされたfluxflex(https://www.fluxflex.com/)は、Cloud Hosting Service。
モットーは、「開発者のための理想的なホスティング環境を作ろう」
Twitter、Facebookのアカウントでログインできる。
目玉機能は、「Github Import」。リポジトリから直接デプロイできる。Githubは、現在、88万ユーザ、241万レポジトリ。これらをすぐにデプロイして公開できる。
特に動かしたいソースがない人には、「ワンクリックインストール」。Redmine、Wordpress、ユーザがupしてくれた様々なツールが、ワンクリックで使える。
リリース後、メディアに取材を受け、Penn Olsonに掲載されて、日本だけでなくアメリカ、アジアにも伝播した。
Twitterアカウントだけで始められるので、ぜひWordpressをワンクリックで試してみてね、とのことです。
・・・で、ここから、常連/ネタ枠。